構文化 — had better
意外に発達が遅かった had better
Traugott (2019)は、had better, would/had rather, would/had soonerの歴史をconstruction grammarの観点から分析した論文です。現在では、この3つの中ではhad betterが最も浸透しているように感じますが、その確立の歴史は意外に遅く、Shakespeareではhad betterは1例しか起こらない一方でhad ratherは多数使用されているとのことです(p. 115)。
論文では、Old Bailey Corpusから多数の例を引用しながら3つの表現の確立の歴史、およびそれぞれの特徴を分析し、全体としては、rather, soonerが一つのグループを構成していて、これと若干異なる位置関係にあるのがhad betterであるという結論が導かれています。
had better、およびその関連の表現に興味がある場合は必読の論文となっています。
参照文献
Traugott, Elizabeth C. 2019. “Are Comparative Modals Converging or Diverging in English? Different Answers from the Perspectives of Grammaticalisation and Constructionalisation”, in Categories, Constructions, and Change in English Syntax, ed. Nuria Yanez-Bouza, Emma Moore, Linda van Bergen, and Willem B. Hollmann, pp. 105-129. Cambridge: Cambridge University Press.