神戸ファッション美術館

展覧会とライブラリ

神戸の六甲アイランドにある神戸ファッション美術館で「ガラスの祈り」という展覧会が開催されています。能登半島地震で被災した石川県能登島ガラス美術館所蔵の作品をお借りして開催しているものです。ガラス美術館自体は、約500点を収蔵する規模の大きな美術館とのことです。今回の展覧会では、震災に耐えた36点と修復がかなわなかった1点の展示されています。

コンパクトな展示スペースですが、中国清朝時代のガラス作品から現代アートのものまで、展示品の幅も広く、ガラス独特の質感を十分に楽しむことができる空間が演出されています。

震災を経験した神戸が、震災から30周年というこの時期にこのような展覧会を企画したことは、すばらしいアイディアだと思いました。展覧会の期間が若干短めに設定されていますので、関心がある方はどうぞ足を運んでみてください。ファッション美術館の服飾の展示スペースの延長の空間で展覧会が開催されていますので、両方を合わせて鑑賞することができます。

なお、ファッション美術館ではホールや会議室など多目的なスペースが提供されているようです。今回初めてライブラリにも行ってみました。デザインや服飾関係の分野に焦点を当てた図書館で、蔵書も結構充実していると感じました。日本の図書館の多くがそうなのですが、ここも「自習禁止」となっていたところが少しだけ残念でした。ヨーロッパの多くの図書館を使った経験から、図書館とは学習をする空間でもあるというのが私の思いの中にあります。スペースが限られているとなかなかそれがかなわないのかもしれませんが、少なくともファッション美術館の図書館はゆっくりとした空間になっていたので、少しくつろぎながら勉強をする人も受け入れてあげられたらよいなと思います。本を読むことと自習は連続した営みのように感じます。