身体性

宇多川久美子(著)『その「一錠」が脳をダメにする』(SB新書、2016年)

日頃から考えていたことではありますが、かなり体系的に書かれていますので、納得するところが多い著書でした。以下の引用に内容が集約されているように思いますので、そのまま記述してみます。(2016年)

「私たち薬剤師は、薬学部に入学したときから薬の勉強を続けることになりますが、真っ先に教わるのは『薬は身体にとって異物であり、毒である』ということです。」(p. 13)

「その状態が続けば、身体は薬の力に頼ることに慣れ、怠けるようになります」(p. 49)

以下に、目次を記載しておきます。薬だけではなく、健康食品等にも言及があります。

第1章 その「常識」が脳をダメにする
第2章 「病院の薬」が健康を遠ざける
第3章 お気軽な「市販薬」が生活習慣病をつくる
第4章 知らないうちに身体をむしばむ「健康食品」
第5章 「生活日用品」が身体の不調を起こす
第6章 一生、薬のいらない身体になる

野口晴哉(著)『風邪の効用』(ちくま文庫)

古い本ですが、リメイクで出版が続いているところを見ると、需要があるものと思われます。風邪を引くことで体がバランスを取り戻すということが、さまざまな角度から解説されています。以下のような情報もありました。引用です。(2018年)

「頭の発想が停滞した時には肘を温めると良くなります。・・・道場に来ている作家の人はこれをやるので大分能率がよいそうです。」(pp. 192-193)

西原克成(著)『内臓が生みだす心』(NHKブックス、2002年)

出版されてから少し時間がたった本ですが、精神や心のありかについて、とても分かりやすく書かれた本です。主張は一貫していて、心が内臓に宿るというものです。キーとなる文章はあちこちにちりばめられていますが、特に明確に書かれている部分を引用してみたいと思います。(2022年)

「どうやら心や魂は腸を持った動物に宿るようです。脊椎動物の進化を解明すれば、心や魂や霊や精神の発生学も明らかとなるかもしれないという見当がつきます。」(pp. 49-50)

目次はとても詳しいので、各章のタイトルを以下にあげてみます。

はじめに

第1章 心肺同時移植で心が変わる
第2章 心はどこから生まれるか
第3章 心と精神の発生学
第4章 新しい免疫学の樹立
第5章 顔と心、身体と精神

おわりに