古英語文献とソース

Fontes Anglo-Saxonici

中世の文献を読むときに必須となるのが、ソースについての知識です。場合によっては文献全体が、別の文献を基にしたものであることもありますし、そうでない場合でも、文献の各所にラテン語のテキストなど、他のテキストから翻訳するなどの形でそのまま借用されたと思われる部分が含まれていることがあります。

古英語については、このようなソースについての研究をする際にとても有用なデータベースとして、Fontes Anglo-Saxoniciがあるので紹介したいと思います。20世紀の後半、1984年に開始されたプロジェクトで、現在も進行中です。現在は、データベースの本体が、St Andrews大学のサーバーに置かれています。

初期のころには持ち運び型のものもあり、それを使用させていただいたこともありましたが、現在はネット上で検索できるようになっていて、とても使い勝手が良くなっています。データ量もだいぶ大きくなっているようで、これを使ってさまざまなプロジェクトを立ち上げるのにも耐える立派なデータベースになっているようです。

データベースの説明は、ホームページにもありますが、以下の関連箇所を引用してみたいと思います。

“The project aims to identify all written sources which were incorporated, quoted, translated or adapted anywhere in English or Latin texts which were written, or are likely to have been written, in Anglo-Saxon England, including those by foreign authors. It also identifies the written sources used by authors of texts written abroad if those authors are certainly or arguably Anglo-Saxons, and by foreigners who were drawing mainly on materials which they had obtained, or are likely to have obtained, in Anglo-Saxon England.” (プロジェクトのAboutのページより)