Markus Schiegg and Judith Huber (eds.), Intra-Writer Variation in Historical Sociolinguistics (Peter Lang, 2023)

ヨーロッパを中心に毎年開催されているHiSoN (Historical Sociolinguistics Network) に由来する論文集です。2021年の大会はErlangenでハイブリッド形式により開催され、家入はオンラインで参加しました。論文集は、ボリューム感のあるものになっています。

2021年の研究集会の中心的なテーマの一つとして、intra-writer variation、すなわち同一の作家が書く文章の中に見られる言語の変動があり、この論文集はこのテーマに関する研究論文を収録したものです。

私の論文は、473ページから始まります。HiSoNでの発表に加筆修正を加えたものです。一人の写字生によって転写されたと思われる作品の中に言語の揺れが見られるかを、intra-writer variation の特殊なケースとして取り上げ、議論しました。womanという単語の綴り字の揺れを中心に扱っています。テキストはケンブリッジ大学の Pepys Library所蔵のMS Pepys 2125の最初の2点です。15世紀のテキストになります。15世紀は、後半にかけて急速に綴り字の揺れが収束していく英語史にとっても重要な時代の一つになります。

なお本書はオープンアクセス形式につき、Peter Lang社のホームページより、全文をダウンロードすることが可能です。

私の論文の書誌情報については、以下をご覧ください。

書誌情報

Iyeiri, Yoko. 2023. “Intra-text Variation as a Case of Intra-writer Variation: Middle English Scribal Behaviours, with a Focus on the Spelling Variation of WOMAN in MS Pepys 2125”, in Intra-Writer Variation in Historical Sociolinguistics, ed. Markus Schiegg and Judith Huber, pp. 473-490. Peter Lang.

関連論文

中英語期の綴り字については、以下の論文でも議論しています。