初期印刷本についての具体的な話
YouTubeの動画から
- 書物史講座 キャクストン版『カンタべりー物語』 第2回(#33) 初版と第二版の相違点は?印刷活字の種類、バースの女房の木版画、ロザリオ・数珠の描かれ方、サミュエル・ピープス旧蔵本のファクリミリ — 慶応義塾大学名誉教授の高宮利行先生の動画です。印刷本の年代が必ずしも記載されている年代ではない可能性があること、Caxtonが使用した活字の変化、現存する『カンタベリ―物語』の完全本と不完全本の違い、不完全本ではテキストがどのように補われているか、挿絵についての解説、ピープス図書館のことなど、多彩な情報を提供してくれる動画です。なかなか初期印刷本の現物を見る機会がないと意識することもない話が出てきますので、動画を見ながら、世界を拡げてみてください。
- キャクストン版ボエティウス『哲学の慰め』Caxton’s Boethius, The Consolation of Philosophy 書物史講座(#36) — こちらも、高宮利行先生の動画です。Boethiusが英語に翻訳された歴史の概要についての話に始まり、後半では、主に書誌学的な観点から、ChaucerのBoethiusの印刷本についての解説がなされています。当時の印刷本の製本の状況などについても詳しい解説がなされていますので、印刷本の歴史を理解する上でお薦めの動画となっています。
- 小さな本 Pocket edition Poor Man’s Bible, Macrobius, Aldus, Vitruvius 書物史講座(#37) — 引き続き、慶応義塾大学名誉教授の高宮利行先生による講義です。サイズが小さい本を3冊紹介しながら、それぞれの本が持つ歴史について、具体的かつ分かりやすく解説されています。欄外に書き込まれたコメントや、そのコメントが漂白されたwashed copyという概念、また小さな本のサイズにも意味があるということなど、初期印刷本の世界が広がるレクチャーとなっています。