『英語史で解きほぐす英語の誤解』(中央大学出版部、2011年)

英語史ブログやYouTube等でご活躍の堀田隆一さんの本です。2011年に出版された著書で、英語に関心をもつすべての人々に英語史の面白さを伝えようという堀田さんの活動の初期の頃のものです。再度読み返してみました。とても読みやすい文章で、英語史の流れを追うことができるよう工夫された本だと思いました。全体を比較的短時間で流すことができるのではないかと思います。副題の「納得して英語を学ぶために」という執筆の意図も十分に実現するよう工夫されています。大学出版局からの出版ですが、一般の人々向けに書かれています。英語を客観的な立場から観察しつつ、同時に英語への強い興味も喚起する記述が特徴的です。

以下に、目次を転記しておきたいと思います。各章のタイトルは、あえて逆説的にもなっています。

目次

序章 なぜ人々は英語を学ぶのか

第1章 英語は世界共通語である

 第1節 話者数で見る英語の実力 

 第2節 一枚岩でない英語

 第3節 様々な英語話者

 第4節 英語は誰のものか

第2章 英語は昔から変化していない

 第1節 変化しない言語はない

 第2節 英語史の時代区分

 第3節 現代英語の特徴

 第4節 古英語の特徴

 第5節 なぜここまで変化したのか

第3章 英語はラテン語から派生した

 第1節 英語とヨーロッパ諸言語の関係

 第2節 印欧語族の解明

 第3節 ゲルマン語派

 第4節 系統と影響

第4章 英語は純粋な言語である

 第1節 言語の純粋さ

 第2節 英語の雑種性

 第3節 征服の歴史

 第4節 多層の語彙

第5章 英語は易しい言語である

 第1節 英語の難易度

 第2節 古英語の性・数・格

 第3節 古英語の屈折と語順

 第4節 なぜ屈折が衰退したか

第6章 英語は日本語と比べて文字体系が単純である

 第1節 英語のアルファベット

 第2節 綴り字と発音の乖離

 第3節 古英語の文字と発音

 第4節 1対1がなぜ崩れてゆくか

 第5節 大母音推移

第7章 英文法は固定している

 第1節 現代英文法の規則

 第2節 規範文法の成立

 第3節 文法は変わる

第8章 イギリス英語とアメリカ英語は大きく異なっている

 第1節 英語の英米差

 第2節 アメリカ英語の発展

 第3節 アメリカ英語の連続性

 第4節 英語のアメリカ化

第9章 英語は簡単だから世界共通語になった

 第1節 世界語の条件

 第2節 イギリスとアメリカのバトンリレー

 第3節 英語成功物語?

第10章 英語はもはや変化しない

 第1節 英語の役割の変化

 第2節 英語の多様化

 第3節 世界標準英語の兆し

 第4節 遠心力と求心力

 第5節 言語交替

おわりに

文献案内

索引