メディア、社会

逢坂巌(著)『日本政治とメディア―テレビの登場からネット時代まで』(中公新書、2014年)

新書ですが、中身は相当濃いです。メディアと政治の関係はいつでも意識しているつもりでしたが、思ったよりもその関係は早くから構築されていたのだとわかりました。(2015年)

目次が内容をかなり表しているので、詳細に示してみます。

第1章 テレビの登場と自民党の成長
1 鳩山一郎と石橋湛山の「空中戦」
2 安保とテレビ
3 池田勇人のマス・コミュニケーション
4 佐藤栄作のメディア統制

第2章 派閥政治のコミュニケーション
1 田中角栄と放送免許
2 三福大と世論

第3章 「テレビ政治」の時代へ
1 鈴木善幸、マスコミ対応の甘さ
2 中曽根政権を支えた「支持率」
3 ニュース戦争と自民党大敗

第4章 政権交代と無党派の急増
1 「政治改革」と細川政権
2 自社さ政権と無党派時代の到来

第5章 小泉の熱狂からネット時代へ
1 小泉マジック
2 キャラの時代のKYたち
3 民主党とネット政治

終章 政治コミュニケーションのいま

渡邉賢太郎(著)『なぜ日本人は、こんなに働いているのにお金持ちになれないのか?』(いろは、2015年)

タイトルは刺激的ですが、社会のシステムについての考え方につながる視点が提供されています。著者が21世紀の「つながりキャピタリズム」と呼ぶものについて、世界を旅した経験を交えながら語られている著書です。紙幣やクレジットカードの仕組み、その歴史などについても語られています。(2015年)

以下は、「つながりキャピタリズム」を説明する文章の引用です。

「それに代わって、他者との「つながり」が資本となり、新たな仕事や豊かさをもたらす世界。『共感し、共有し、共創する』ことで、つながりを多様で豊かなものにし、結果としてお金も集まってくる世界。すなわち『つながりキャピタリズム』の時代が到来しているのです。」(p. 297)

目次も載せておきます。

はじめに

第一章 日本人は、世界一、お金のことを知らないという事実について
第二章 お金の歴史を紐解く — 「お金とは何か?」という問いについて
第三章 お金に振り回される人と、道具として使いこなす人の違いについて
第四章 お金の危うさと、人間の弱さについて
第五章 「つながりキャピタリズム」の世界へ — 信頼が可視化されるこれからの社会について
終章  私たちはどのように働き、どのように生きていくべきかについて