構文のヴァリエーション — pressure

pressureの2つの構文

Juhani Rudankoは、動詞の補文のヴァリエーションを扱った多数の論文や著書を出版しています。そのうちの一つ、Rudanko (2003) は、動詞のpressureとpreventの異なる構文の意味の違いに焦点をあてた興味深い論文です。ここでは、pressureの方を見てみたいと思います。例文もRudanko (2003)のものを引用します。

pressureでは、不定詞構文とinto -ing構文のどちらも可能です。

(1) They pressured her to forget about the incident …
(2) We pressured him into telling us everything he knew about the heist, …

書き換えの練習に出てきそうな構文上のヴァリエーションですが、Rudanko (2003) は、entailmentとtelicという概念を使って、両者の間に意味の違いがあることを説明していいます。

entailmentというのは少しわかりにくいのですが、”the truth of sentence (2) entails the truth of the comlement, whereas the truth of sentenec (1) is compatible with such asn interpretation but does not entail it” (p. 275)が簡潔に説明してくれていると思います。すなわち、(1)の場合は、to forget about the incidentが真であるというところまでは含意されていませんので、

a. They pressured her to forget about the accident and she did forget about the accident.
b. They pressured her to forget about the accident but she did not forget about the accident.

の両方が可能であるとしています。

telicという概念も少し似ているような気もしますが、こちらの方は、動作が完了するかどうかという視点からの議論です。完了するのがtelicで、完了しないのがatelicです。例文にもどると、(1)がatelic、(2)がtelicということになります。into -ingを使うと、-ing以下の内容が真となりpressureという動作が完了するという意味合いが出てくるようです。

Rudanko (2003) の書誌情報は、

  • Rudanko, Juhani. 2003. “Comparing alternative complements of object control verbs: evidence from the Bank of English corpus”, in Corpus Analysis: Language Structure and Language Use, ed. P. Leistyna & C. F. Meyer, pp. 273-83. Amsterdam: Rodopi.

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