家入葉子(著)『ベーシック英語史』(A Basic Guide to the History of the English Language) ひつじ書房, 2007.
一人でも英語史の大きな枠組みがわかるように、簡単に読めてしまう英語史を執筆しました。授業用に使用する場合は、全体で15章になっていますので、15回の授業で読み切ることもできます設定になっています。追加の教材として文献の講読と組み合わせたり、エクササイズに時間をかけながら進める場合は、30回の授業でも使用可能です。
インド・ヨーロッパ語族としての英語の起源に始まり、現代英語の変容までを扱います。英語史と現代英語の接点は現在、重要なテーマの一つとなっています。英語の多様性の背景にある英語史にも注目してみましょう。
目次
まえがき
第1章 インド・ヨーロッパ語としての英語
1. インド・ヨーロッパ語としての英語
2. ゲルマン語としての英語
3. 英語の区分
第2章 英語の外面史と借入語
1. 古英語期
2. 中英語期
3. 初期近代英語期
4. 後期近代英語期から現代
第3章 語彙の歴史
1. 語形成
2. 語彙の歴史における形態上のアクシデント
3. 意味の変化
4. 意味の一般化と意味の特殊化
5. 意味の向上と意味の堕落
6. 意味の拡張性と変化のメカニズム
第4章 文字・綴り字と発音
1. ルーン文字から現在のアルファベットへ
2. 発音を映し出す綴り字と慣習としての綴り字
3. 発音と綴り字の乖離
4. 綴り字発音
5. 現代英語の発音の変化
第5章 名詞の発達
1. 文法性から自然性へ
2. 格変化の衰退
3. 名詞の複数形を作る-(e)s語尾
4. -(e)s以外の複数形
第6章 人称代名詞の発達
1. 頻繁に使用する語は古い形を残しやすいといえるか
2. 人称代名詞の形態
3. 人称代名詞の数
4. 人称代名詞の格
第7章 指示代名詞と関係代名詞
1. 指示代名詞にも複雑な語形変化
2. 格変化と文法性の消失から生まれたtheとthatとthose
3. 古英語の関係代名詞
4. 関係代名詞のその後の発達
第8章 語形変化の衰退がもたらしたもの
1. 語形変化の衰退の背景
2. 語順の確立
3. 前置詞の使用の拡大
4. 名詞の所有格
第9章 主節と従属節
1. 並列構造から従属構造へ
2. 古い英語文献を読むときのandとbut
3. 主節と従属節の語順
4. 接続詞の発達
第10章 動詞の発達
1. 不規則変化動詞
2. 仮定法の衰退
3. 直説法現在の語尾
第11章 非人称動詞と過去現在動詞
1. 非人称動詞
2. 過去現在動詞
3. 法助動詞の発達
第12章 beと haveおよび分詞
1. be動詞の発達
2. 進行形の発達
3. 英語の受動態
4. 完了形の起源
5. beかhaveか
第13章 不定詞と動名詞
1. 不定詞の形態上の変化
2. 原形不定詞かto不定詞か
3. 動名詞の発達
第14章 否定構文と助動詞doの発達
1. 否定の副詞neからnotへ
2. 古英語・中英語のneに注意
3. 古英語・中英語に特徴的な多重否定
4. 助動詞doの発達
第15章 言語の揺れ
1. 集合名詞
2. 数の一致
3. 前置詞の揺れ
4. 形容詞と副詞
5. 世界の英語
参考文献
索引