20世紀、21世紀の言語変化

山口美知代(著)、『ハリウッド映画と英語の変化』(開拓社)

映画好きの方にはお薦めの英語史が出版されました。山口美知代(著)の『ハリウッド映画と英語の変化』です。敢えて英語史という言葉を使用したのは、あとがきで「本書を最初に構想した時には『ハリウッドの英語史』という署名を考えていた。映画に音声が同期するようになってからまだ100年弱であり、『英語史』と呼べるだけの英語の変化を見つけ、記すことは無理だということは頭ではわかっていたが、ハリウッド映画の歴史のなかでつかわれている英語がどのように変わってきたかを描きたいという思いがあった」(p. 177) と書かれているからである。

20世紀、21世紀の英語の変化は英語史の主要なテーマであり、また本書で記述されているような社会の中に存在するさまざまな英語のバリエーションを紐解くことは、英語の変化を理解する上で重要なテーマとなる。近年多くの研究者の関心を集めている歴史社会言語学の視点からも、映画はデータの宝庫であると言える。映画を観るのが好きながら、この上ない言語資料だといえよう。(2024年)