図書館とスペースの問題

図書館と座席の数

多くの図書館を悩ませるのが、スペースの問題です。大量の図書を配架するスペースが必要で、蔵書の数は毎年増えていくのが通常ですから、これだけでも大変なスペースが必要になります。一方で図書館は、多くの利用者が毎日のように出入りすることも想定しなければなりません。利用者が図書館を利用して研究、学習を進めることができるよう、十分な座席の数を確保するための配慮も、図書館の重要な役割だと思います。

以前に大阪のある公共図書館に出かけたときに、「図書館での勉強はご遠慮ください」という指示がなされていたのには少し驚きました。図書館の機能をどのように考えるかは、運営者、利用者によって異なるのかもしれませんが、図書館を学びの場として利用するのは、もっとも一般的な図書館の利用方法だと私は考えていました。しかしながら、この図書館では、図書館とはその図書館に配架されている本を読む場所だというスタンスだったのだと思います。本を読む営みは、広い学びの一側面であり、学びと切り離されるべきものではないというのが私の考え方ですが、図書館の機能については、さまざまな見方があるのかもしれません。また、当該の図書館に配架されている本とは別の本を参照する必要が出てきて、手持ちの本をその場で読むということも普通に起こることだと思いました。もしかしたら、その図書館では利用者のためのスペースを十分に確保することが難しいという事情があったのかもしれません。

近年は、図書館を情報の拠点として捉える考え方も広がって来ています。図書館を本を読むためだけの場所と特定する考え方は、ますます時流に合わなくなってきているように思います。本そのものの形態が多様化しているなか、今後、どのように図書館を発展させていくかは、楽しみでもあり、課題でもあると思います。