スイス金融博物館

スイス証券取引所(SIX)のなかの小スペース

市街電車を使ってチューリッヒの中心部からは少しだけ離れたところに、スイス金融博物館(Schweizer Finanzmuseum)があります。スイス証券取引所(SIX)の中のスペースを利用したコンパクトな博物館です。チューリッヒ・カードで入館できる博物館の一つになっていたので、「せっかくだから」ということで寄ったわけですが、結果的にはなかなか面白い博物館だと思いました。

展示スペースはワン・フロアで、スペースに入ると同時に全体が見渡せる面積なのでそれほど大きいとは言えませんが、モニターのボタンを押して解説を聞いたりしながら周ると、結構な時間を要しますし、見学のあとは満足感もあります。事業を始めようとする人がどのように資金を集めるかなどをテーマとした動画も複数用意されています。金融というと大人の世界のことかと考えがちですが、子供の金融教育も意識された博物館だと感じます。

古い時代の、しかもさまざまな国の有価証券が展示されていますので、株式がどのように運用されてきたかを実感として学ぶこともできます。現在は、株式を保有していても、実際の証券を手にすることはほとんどありませんので、株式の原点に戻ると同時に、歴史を感じることができます。

2017年にオープンということですから、とても新しく洗練された雰囲気がある博物館です。私が訪れたときは、閉館時間が近かったこともあり、展示スペースには他には誰もいませんでしたので、ゆっくりとモニターのボタンを押しながら学習しました。通常はどうなのかわかりませんが、チューリッヒの中心部から少し外側にはずれることもあり、おそらくいつも人が少なく、ゆっくりしているのではないでしょうか。安心して見てまわることができそうです。

テーマを絞ったコンパクトな博物館をたくさん作る方向性は21世紀的な街づくりのコンセプトの1つになるかもしれないと思います。ただし小さな博物館はどうしても集客力が弱くなりますので、それをチューリッヒ・カードのようなサービスとどのようにリンクさせていくかが鍵になるように思います。その意味で、この博物館は上手に運営されているように思いました。

Schweizer FinanzmuseumのYouTubeのミニツアー動画の一つを貼り付けてみます。株券が紹介されています。