コーパス時代の英語学

Laurie Bauer著 Watching English Change

大規模コーパスの出現により、20世紀英語の変化をたどることは比較的容易になってきました。そんな中で、バリエーションの考え方を取り入れて現代英語の変化を探る試みを行った著書として、Laurie BauerのWatching English Changeをお薦めします。1994年の出版ですが、広く読まれていることもあり、現在でも入手可能です。授業でも何度か使用しました。テーマの取り上げ方、変化の捉え方が、とても面白いです。(2017年)

Douglas Biber, Stig Johansson, Geoffrey Leech, Susan Conrad, and Edward Finegan著 Longman Grammar of Spoken and Written English

コーパスのデータ分析をもとに書かれた文法書です。さまざまな言語現象について、ジャンルが異なるとどのような違いが出てくるかを見るのに最適です。出版と同時に、どのような研究テーマを扱う際にも参照しなければならない基本文献の1つとなりました。A Comprehensive Grammar of the English Language (by Randolph Quirk, Sidney Greenbaum, Geoffrey Leech, & Jan Svartvik), The Cambridge Grammar of the English Language (by Rodney Huddleston & Geoffrey K. Pullum) と合わせてご参照ください。

斉藤 俊雄・赤野 一郎・中村 純作 (編) 『英語コーパス言語学―基礎と実践』(研究社)

コーパス言語学の入門書はたくさんありますが、この本は必読書の一冊です。改訂新版になっています。初版も合わせて読むと、より深く理解できます。コーパス言語学の歴史はそれほど長くないので、全体を一通りおさえておくのがよいと思います。

深谷輝彦・滝沢直宏編『コーパスと英文法・語法』(ひつじ書房、2015年)

ひつじ書房の英語コーパス研究シリーズの第4巻として出版された論文集です。現代英語のより深い理解にお役立てください。コーパスを利用した言語分析の方法もたくさん学ぶことができます。

章立ては、以下のようになっています。

1. コーパスに基づく英文法・語法研究(深谷輝彦)
2. コーパスを用いた英語語法文法の研究 その方法を中心に(滝沢直宏)
3. 複合語の分析 限定用法の複合形容詞の場合(西部真由美)
4. コーパスとフレイジオロジー(八木克正)
5. アメリカ英語における曜日と日付の副詞的名詞句 その分布と変化(山﨑聡)
6. BNCに基づく繰り上げ主語受動態構造の分析(新井洋一)
7. コーパスと語彙意味論研究 加熱調理動詞の使役交替性(都築雅子)
8. 優先規則体系とコーパス(大室剛志)
9. いわゆる転移修飾表現再考(金澤俊吾)
10. 大規模コーパスによるコミュニケーション的視点からの受動形の分析(梅咲敦子)

ひつじ書房の同じシリーズの第6巻には、『コーパスと英語史』(西村秀夫編)もあります。こちらもあわせてご利用ください。