身体性、精神性 — 南直哉

南直哉(著)『恐山―死者のいる場所』

以前に青森を旅行したとき気になりながら、しかし気軽による場所でもないので、訪れることのないままになっている場所です。この著書は非常に論理的で、わからないとことはわからないとして明示してくれていますので、読後感がすっきりしています。(2017年)
印象に残ったところを、引用してみます。

「生のリアリティの根本にあるのは他者との関係性です。他者との関係性が軽くなってしまえば、生きている人間の存在感も軽くなる。他者に強い思い入れもなければ他者から得るものも当然少なくなってきます」(p. 146)

南直哉(著)『「悟り」は開けない』

著者自身が本文中で語っているように、ある意味で、生きるためのテクニックの本だという側面もあります。たとえば、以下の引用をご覧ください。(2018年)

「何が『好きなこと』『やりたいこと』なのか、実は簡単にはわからないものです。ならば、とりあえず嫌でないこと、誰かの役に立つことをすればよいのです。私は住職として「好きで」葬式や法事をしているのではありません。しかし、嫌ではありません。・・・」(p. 206)