ハワイをさらに深く楽しむ

矢口祐人(著)『憧れのハワイ―日本人のハワイ観』(中央公論新社)

歴史を学んで、さらにハワイを深く理解したいという方のために、本書を紹介したいと思います。序章は「福沢諭吉のハワイ体験」から始まります。

以下は、印象に残ったところの引用です。

「どの地域の文化もそうであるように、ハワイはひとつの固定化した実在として定義できるものではない。観光言説が創出するハワイは、『本物ではない』と否定されがちである。しかしそのようなハワイも、数あるハワイのひとつであると考えるべきだ。その成否を論じるよりも、歴史を通して、日本の観光言説がいかなるハワイを想像/創造してきたのかを検討し、語りの底流にある多様な力学を捉える努力が必要である」(p. 235)

ハワイに伝播した日本語に興味がある場合は、渋谷勝己・簡月真(著)『旅するニホンゴ』(岩波書店、2013年)もいかがでしょう。こちらの本も、本ブログで紹介しています。(2019年)