大学のある町 — セント・アンドルーズ
10年ぶりぐらいにスコットランドのSt Andrewsを訪れました。George Barr Jack Lectureで講演をするためです。”Jack’s Law and the History of English Negation”というタイトルで講演をしました。School of Englishが主催のレクチャーだと聞いていましたので、Old English, Middle Englishなどの時代的な説明や、The Canterbury Talesの詳細などを説明する時間を計算に入れていませんでした。ところが情報学や数学が専門の方など、多分野のみなさんに来ていただいて、多様な形で議論が盛り上がりました。大学として、とても元気だという印象です。
それから今回の渡航で感じたのは、大学だけでなく、イギリスそのものも、とても元気だという印象です。EUからの離脱や経済のさまざまな問題もあるようですが、一方で、留学していた1990年前後よりも、もっと一人一人が生き生きと活躍している印象も受けました。帰りの飛行機は早朝だったので、3時30分過ぎにはエディンバラ空港に到着しましたが、早朝にもかかわらず、ほとんどのお店が営業していて、たいへんな数の人々が行動していました。ロンドンのヒースロー空港の活気は、当然ながらこれを上回ります。関空で通常の時間帯でも開いているお店の数がほんのわずかで、閉業したままの場所が多かったので、私たちも頑張りたいという思いです。(2023年4月)
これは、セント・アンドルーズ大学のチャペルとなっているSt Salvator’s Chapelの写真です。イギリスの古い大学は宗教と切り離すことができない歴史を持っていますので、チャペルはカレッジの中心的な存在です。この上が大学のシンボルである時計台になります。夕方に訪問したので、鍵をかける人が私の後ろを歩きながら、「どうぞゆっくり見学してください。見学が終わったら鍵をかけます」ということでした。ちょっとゆっくりしにくいですね。それでも雰囲気は以前のままです。
この写真は、Department of English(現在は、School of English)のメインの建物、Castle Houseのすぐ前にあるCastleを少し遠くから眺めた写真です。St Andrewsを特徴づけるのは、このCastleとCathedralで、いずれも廃墟。現在は、お城の敷地内にVisitor Centreがあり、ショップでお土産を買うこともできるようになっています。
ここから少し西に歩くとpierがあり、日曜日に大学のガウン(私は大学院生でしたので黒のガウンでしたが、学部生の赤のガウンが有名です)を着てpier walkをするのが習わしでした。しかし、今から考えると、少し危ない習慣です。pierは大変狭く、海に落ちてしまいかねない雰囲気です。
West Sandsの写真です。West Sandsの海の色は、天候や時間帯によって大きく変化します。このように青い海の色は、どちらかというと珍しく、たいていは少しくすんだ色、あるいは夕方の時間帯には、薄いピンク色などになります。時間帯によっては、海鳥が大量に羽を休めていることもあります。
1991年の写真で、「薄いピンク色、海鳥が大量に羽を休めている」というのがありましたので、下に張り付けてみます。
ここから少し東側に歩くと、大学とともにSt Andrewsを有名にしているThe Royal and Ancient Golf Club of St AndrewsとOld Courseがあります。見どころは、基本的にすべて徒歩圏内。
このページの写真は、すべてYoko Iyeiriが撮影したものです。無断でのご使用はご遠慮ください。