構文の拡張 — N + PREP + V-ing構文

いつも普通に使用している構文の歴史も、具体的なデータの中で分析してみると、その確立過程がきれいに浮かび上がってくることがあります。Gray and Biber (2012)は、the hazard of receiving the treatment (p. 183) のような N + PREP + V-ing の構文の変化をたどった論文です。

データとして使用されているのは、1700-1900のastronomyに関する文献を集積したCoruna Corpusです。18世紀から19世紀にかけて、N + PREP + V-ing の構文が増えていくこと、もっとも頻度が高いのは、PREPのところにofが来る構文であることなどが分かります。しかし、N + in + Vingや N + for + Ving構文も増加しています。むしろ、その増加の割合ということで見れば、最初からやや多めのofに比べると、inやforの方が多いようです。今回のデータでは、N + on + Ving の例文はなかったということです。この点については、さらなる研究が必要であるとされています。

特に頻度が高い N + of + Vingについては、head nounによる分類も行われています。たとえば、way, method, means, modeなどはよく使用される名詞で、method nounsとしてまとめられています。はじめはmethod nounsの比率がかなり高いのですが、これも、時代とともに多様な名詞が使用されるようになり、相対的な頻度は減少するようです。他にも、difficulty of accounting for them (p. 190) のような名詞化によって生じた名詞もよく観察されるようです。

inやforについては、例文の数が少ないので、十分な一般化はなされていませんが、コーパスのサイズやジャンルを変えて分析を進めると、さらに研究を深めることが可能かもしれません。

参照文献

Gray, Bethany and Douglas Biber. 2012. “The Emergence and Evolution of the Pattern N + PREP + V-ing in Historical Scientific Texts”, in Astronomy ‘playne and simple’: The Writing of Science between 1700 and 1900, pp. 181-198. Amsterdam: John Benjamins.