旧門司三井倶楽部

1階はレストラン、2階は博物館として活用されている美しい洋館

1921年に建設された門司三井倶楽部は、門司港のレトロ地区に移設されて、自然な形で活用されています。1階はレストランとホールになっていて入場は無料、2階は博物館のような形で有料。2階の半分はアインシュタイン博士夫婦が滞在した場所を当時の様子に近い形で展示するスペースになっていて、残りの半分が門司出身の作家、林芙美子の資料室です。

アインシュタイン博士が講演のために来日したときに宿泊施設としてこの場所を使用したということで、現在はその一角がアインシュタイン・メモリアルルームと名付けられています。居間やベッドルームなど、自宅のようにくつろげる空間が広がっています。アインシュタイン博士が書いた原稿の写しなども展示されています。メモリアルルームの部分は、写真撮影も可能。

林芙美子資料室の方は撮影できませんが、原稿などの貴重な資料もありますので、やはりゆっくりと時間をかけて見たいスペースになっています。途中にビデオを見ることができる部屋があり、林芙美子の東京での生活の様子などもビデオを通して知ることができます。今回は、布刈神社に行くバスが1時間に一本なので、時間調整の関係で、少し慌てて展示物を見てまわることになったので、もう一度訪れて再度ゆっくり見てみたいと思っているところです。ちなみに今回は、1階のレストランもお休みの日にあたってしまいました。再度の訪問が必要。

歴史的建造物の活用としてはとても成功している事例だと思います。門司港駅を出ると正面に見えてくる洋館なので、まず人を引き付けます。1階はレストランとして現役で活用されていて、同時にホールスペースは自由に見ることができますし、自然に2階にも上がってみたいという気持ちになります。(ツアーで1階だけを見て帰るグループもありましたが、少しもったいないかも。)2階スペースはテーマがはっきりとしています。十分な学びと満足感を得ることができる展示スペースながら、それほど広くもないので、時間調整にも最適です。入場料も手ごろなので、繰り返し訪れてみたいという気持ちにもなります。そのたびに発見がありそうな奥深さもあります。建物自体も美しく、庭の花も手入れされていて、気持ちがよいです。海が見える解放感のあるエリアに移設されているので、シンボル的な役割も果たしているように思います。

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